建築士試験に面白いほど受かる講座
このページは、「2級建築士に面白い程受かる本」の著者、大賀信幸氏のご好意によりテキストの部分を公開させていただいています。

※:この内容は、平成10年に提供していただきたもので、現在の法規に対応していない部分があります。ご注意ください


2級建築士に面白い程受かる本


<目次>
<まえがき>
<2級建築士試験は試験の為の試験>
<2級建築士学科試験とは>
<これらから感じる事としまして>
<2級建築士学科の試験の出題形式>
<合格ライン>
<目標得点>
<合格しない理由>
  建築計画科目
  建築法規科目
  建築構造科目
  建築施工科目
<2級建築士学科の試験問題の観察と分析>
  建築計画科目
  建築法規科目
  建築構造科目
  建築施工科目
<受験の為に用意するもの>
<受験対策及び方針>
<勉強する順序>
<持ち込み法令集の作り方>
<参考として設計製図の試験の事>
<建築士試験の今後>
<あとがき>


<まえがき> [ TOP ]

 平成9年6月に出版しました「1級建築士におもしろいほど受かる本」が私の予想をはるかに越える評価を頂きました。
 読者、書籍販売店、編集者の皆さまありがとうございました。
 前書「1級建築士におもしろいほど受かる本」の評価の中で一番よく耳にした言葉は「今までにない切り口で建築士試験を分析している」でした。
 「今までにない切り口」とは、短い言葉で表現しますと「建築の勉強をする事が目的なのか、建築士試験に合格することが目的なのか。」です。言葉にしますと非常に似ていますが、全く違う事です。
 受験生は誰もが新しい事を勉強する喜びと、それに反して受験に対しての不安があると思います。この思いを胸に書店に行きます。多くの本が並んでいます。建築士試験に関する本も山積みされています。
 受験生の行動パターンを観察しますと・・・。
 その山積みされた本を手にします。そのどれもが建築士試験の事に付いて書かれたものです。何冊か手に取ってその内の2〜3冊選択します。人によっては5〜6冊購入します。「お〜っと法令集買うの忘れてた」。これで7冊目になりました。
 1級建築士学科の試験では5〜6万人の受験生に対して1万人、2級建築士学科の試験では5〜6万人の受験生に対して1万5千〜2万人の合格者しかいません。1級で約20%、2級で約30%の合格率です。合格者より不合格者の方が多いのです。
 つまり、私が言いたいのは前述の行動パターンをとっている受験生は「合格しない」のです。
 では、どのような行動パターンをすれば合格できるか、出題者は何を考えているのか等、受験生にとって一番知りたい情報です。今まではこのような事は誰も教えてくれませんでした。
 しかし、この本を手にした受験生には私が教えます。
 当然ながら、受験生一人ひとりに取材して「あなたはなぜ不合格でしたか。」「あなたはなぜ合格しましたか。」等、ばかな質問をした訳ではありません。
 また、出題者に「あなたはどのような考えで建築士試験の問題を作成していますか。」と問う機会があったとしても教えてくれる訳ではありません。もちろん聞いたこともないですが。
 株式相場の格言で「株価は相場に聞け」と言うのがあります。建築士試験の場合でしたらこの「相場」に相当するのが過去問題です。過去問題を慎重に耳をすまして分析しますと多くの無言のメッセージが隠されています。この無言のメッセージを聞くことが出来た人のみが合格します。



<2級建築士試験は試験の為の試験> [ TOP ]

 2級建築士試験は受験資格としまして建築系の学校を卒業した人以外は実務経験が問われます。
 皆さまの実務経験として、建築現場で建築の事に詳しい大工さん、現場監督などがいませんか。また、人間的にもすばらしく多くの弟子や部下に慕われている棟梁や現場監督と知り合いになりませんでしたか。仕事を一緒にした経験はありませんか。
 それらの方々がすべて2級建築士試験に合格していない事実も目の当たりにしていると思います。人間的にもすばらしく、多くの部下を持って建築の事にも詳しいだけだは2級建築士試験には合格しません。
 逆説的な言い方をしますと2級建築士試験に合格したからすぐに建築の現場で仕事が出来るかと言いますと疑問があります。
 建築設計事務所勤務の方では、図面が上手く信頼されて仕事を任されている人がいませんか。彼らの全てが建築士試験に合格していない事もまた現実です。
 私には建築の各分野で、尊敬する先輩や師匠がいます。建築に対する姿勢には頭の下がる思いです。
 ある人は還暦も過ぎている建築家ですが、私たち後輩が建築の事に付いて質問しますと親切丁寧に指導されます。その指導も非常に深く、技術的な事を質問しているのにもかかわらず、技術だけでなくその技術が完成した過程、文化、思想、歴史にまで話しが及びます。それらの話から派生して建築する意義、物事の捉え方、経済の事、政治の事など実社会全てが話題になります。また、建築工法や素材の事なども常に新しいものを取り入れておられます。
 また、現場の管理をしている方がいます。この方は若い頃から建築現場に携わっています。ご自分のライフワークとして献血をされています。もう200回を越えたそうです。
 ある時私が「なぜ献血しているのですか」と質問しました。
 「自分の若い頃は預血制度と言うのがあって、献血の実績がある人に優先的に血をまわす制度があったんや。自分は現場の監督やから、責任のある立場やから、あってはならんことやけど、もし自分の現場で工人や職人が事故をした時に、自分の預血を分けるためや。病院に行った時に優先的に血をまわしてもらうんや。」と言われました。
 私はこのような姿勢こそが真に建築を学ぶ事だと思います。そして、仕事に対して責任を果たす事だと思います。
 はっきり言いまして、建築士試験レベルの勉強で建築の事を分かったような気にならないで下さい。
 本当の意味の建築の勉強は2級建築士試験に合格してからしてください。そして将来1級建築士試験の受験をされる方も合格してから勉強してください。建築の勉強は広く深くとても短期間で出来るものではありません。
 2級建築士試験試験の過去問題を見てみますと、2級建築士試験は試験のための試験であると言えます。
 受験生がよくするように参考書を1ページ目から覚えたり、理解しようとしたりすることは無駄なことです。
 なぜなら、この様な勉強の方法を取っている受験生には合格を与えないようにしているとしか思えないからです。
 実際の試験では、試験の出題範囲、出題密度、にばらつきがあります。参考書に書いてある事全てが、同じ密度で出題されていません。毎年出題されるところは、ほぼ決まっていますし、出題のされかたも、ほぼ決まっています。 このようなことを考慮するか、しないかで合格不合格が決まります。
 2級建築士試験に合格する事と、建築の事を良く理解している事、建築業界で良く仕事が出来る事とは全然違います。
 ここを勘違いしますと、合格にたどり着けません。
 今回の2級建築士試験の勉強で、「建築の事に付いてもっと詳しくなろう」等の発想は頭の中から除外してください。
 2級建築士試験に合格する為にはどのようにしたら良いかのみを考えてください。



<2級建築士学科試験とは> [ TOP ]

 建築士試験を実施している財団法人建築技術教育普及センターの2級建築士試験受験要領から抜粋します。2級建築士受験要領「2級建築士試験の試験期日」と「木造建築士試験の試験期日」が異なりますので注意して下さい。
したがって、試験期日が異なるため、2級及び木造建築士試験それぞれの受験申込手続きを行うことにより、双方の建築士試験を受験することも可能です。
2級建築士試験及び木造建築士試験は、建築士法第13条の規定に基づいて、都道府県知事により行われるものです。
試験の実施に関する事務は、建築士法第15条の17の規定に基づき、都道府県知事から都道府県指定試験機関の指定を受けた財団法人建築技術教育普及センターが行います。
受験の申込みに関しての不明な点は、当センター又は住所地の都道府県建築士会へお問い合せ下さい。
1.試験の構成2級建築士試験及び木造建築士試験は、「学科の試験」と「設計製図の試験」について行われますが、「設計製図の試験」は「学科の試験」に合格しなければ受験することができません。
また、平成○○年及び平成△△年に行われた2級建築士試験又は木造建築士試験において、「学科の試験」に合格した者は、同じ都道府県の同じ2級建築士試験又は木造建築士試験に限り、本人の申請により、本年の試験における「学科の試験」が免除されます。
したがって、「学科の試験」からの受験と「設計製図の試験」のみの受験があり、それぞれ受験申込み手続きが若干異なりますので注意してください。
2.受験資格建築士法第15条に基づく2級建築士試験又は木造建築士試験受験資格者は、第1表の区分(一)〜(五)のいずれかに該当する者です。具体例を示せばおおむね第2表の通りです。

第1表
 (注)(一)〜(三)に揚げる大学等は、学校教育法、旧大学令、旧専門学校令、旧中等学校令によるものです。外国の大学を卒業して、それを学歴とする場合、都道府県もしくは当センターから和訳を添えた成績証明書(成績の内容説明を含むもの)及び、課程説明の写し(カリキュラムの内容を説明するもの)の提出を求めますので、すみやかに提出して下さい。提出されないときは、「受験資格なし」と判断される場合があります。

第2表
 (注)区分。、「、」はそれぞれの課程により、異なります。なお、上記の大学、高等専門学校及び高等学校の建築、土木以外の学科(例えば機械、農業等)の取扱いの詳細は、申込受付窓口で確認して下さい。

建築に関する実務の経験について

(1)「建築に関する実務の経験」として認められるもの
  • 設計事務所、建築会社、工務店等での建築物の設計・工事監理・施工管理
  • 大工
  • 官公庁での建築行政、営繕
  • 大学・研究所・工業高校などでの建築に関する研究、教育
(2)一部が「建築に関する実務の経験」として認められるもの
  • 建築工事を一部含む土木工事等(純粋に建築に関するものの%を括弧書きすること。)
  • 一定期間建築以外の業務を含んでいる場合(建築以外の業務の期間を除いた期間を明示すること。
(3)「建築に関する実務の経験」として認められないもの
  • 土木工事等の建築に関係しない業務
  • 単なる労働者としての建築業務(土工、建築設計事務所で写図のみに従事していた場合等。

(注)実務経験の期間は2級建築士試験は平成○○年○○月○○日まで、木造建築士試験は平成△△年△△月△△日までの期間を算定します。
業務の内容が明らかに「建築に関する実務の経験」と認められる場合以外は、業務の内容を個々に審査して判断されますので、できるだけ具体的かつ詳細に記入して下さい。
(勤務先部課名、地位、職名、業務内容、従事した工事又は業務の名称、従事期間等。)簡単な記載であると「建築に関する実務の経験」でないと判断されるおそれがあります。
受験資格判断に当たって、都道府県もしくは当センターから添付書類の提出を求める場合があります。
その際には、必要な書類を整えてすみやかに提出して下さい。提出されないときは、「建築に関する実務の経験」がないと判断される場合があります。
以上



<これらから感じる事としまして> [TOP]
 受験要領では、2級建築士と木造建築士の受験の事が書かれています。受験資格も試験内容もレベルも同じぐらいと言われています。
私からの提案としまして、木造建築士試験の受験を考えている受験生がいましたら、その目的を2級建築士に変更する事を考慮に入れて下さい。
理由は、皆さまが将来1級建築士試験を受験しようとした場合、その受験資格は2級建築士になってからの実務経験が問われます。木造建築士の事は無視されているのです。そして日々の仕事では2級建築士の方が木造建築士よりも設計・監理できる範囲が広いのです。木造建築士になるメリットは少ないと言えます。
 2級建築士試験の受験資格では実務経験が非常に重視されます。
 しかし、日々の実務の中で知り得た事、経験した事だけでは合格しません。
 設計事務所勤務の受験生で都心部の建築設計を多く手がけている事務所ですと、仕事で経験することは、建ペイ率、容積率、斜線制限、建築物の高さ、避難、日影などです。過去問題を見ますとこの分野からの出題は全て合わせても計5〜8問ぐらいです。
 この分野でいくら詳しくとも100点満点中わずか8点です。
 また、現場監理や、工務店の現場監督などを実務経験にされている受験生では、木造の場合ですと、やり方、基礎掘り、基礎(布基礎が多いと思われる)、アンカーボルト、土台、土台と柱の継ぎ手、柱と梁の継ぎ手、筋交い、火打ち、屋根工事、内装工事等です。実務経験4年としましても、木造の建築物の工期が半年としますと、4年間でわずか8棟の建築しか経験していない事になります。そしてその8棟が繰り返し経験する事です。以上の分野での問題をすべて正解できたとしても、合計で10問もありません。100点満点中10点です。これでは合格にたどりつけません。
 実務経験上で受験生が各々得意としている分野は、2級建築士試験の土俵の中では得意技には成らない事をよく自覚してください。



<2級建築士学科の試験の出題形式> [TOP]

 建築計画、建築法規、建築構造、建築施工の各分野から出題されています。
試験時間は建築計画、建築法規合わせて3時間、途中1時間の休憩をはさんで、建築構造、建築施工分野合わせて3時間の合計6時間の試験です。
 平成2年から現時点までは、各分野それぞれ25問の出題です。平成元年までは各分野30問出題されていました。
 参考までに1級建築士試験では10年以上前から各分野25問の出題で4科目合わせて合計100問です。
 各分野の問題を観察しますと、2級建築士試験にもかかわらず、ここ数年の傾向としまして1級建築士試験の問題も多く出題されています。
 以上の事から、1級建築士試験、2級建築士試験も各分野25問の出題で合計100問に統一されて来ているようです。よって以下では各分野25問として話を進めます。
 出題形式は各問5つの選択肢があり、その中から1つの選択肢を選ぶ方式です。この方式をマルチチョイス方式と言うそうです。
 出題のなされかたを見てみると「〜に関する次の記述のうち最も適当なものは、どれか。」、「〜に関する次の記述のうち最も不適当なものは、どれか。」というような問いかけのものが殆どです。このような問いかけに対して選択肢の中から1つを選ぶ試験です。必ず1つ正解があります。
 弁理士の試験などでは正解がないものもあるそうです。
 この必ず正解があると言うのが、非常に受験生にとっては有利です。
 ここの所をもっと詳しく分析します。少なくとも平成2年から現在までに出題された問題と解答との関係を見てみると、各学科について正解の番号が殆ど均等になっています。
分かりやすく言うと、1科目25満点で問題1問に付き5問の選択枝なので問題25問のうち正解番号1番が5問、正解番号2番が5問、正解番号3番が5問、正解番号4番が5問、正解番号5番が5問となっています。
 解答の方法ですが、別紙にマークシート方式です。これは電算処理の関係と思われますが、HBまたはBの濃さの鉛筆、シャープペンで書き込みます。
 つまり、受験生は、勉強した人も勉強しなかった人も、自信がある人もない人も受験当日、各問題より1問選んで別紙に印を忘れないように。



<合格ライン> [TOP]
 受験生誰もが一番気になるところです。
私には色々な分野での友人がいますので、このテキストを書くに当たってその友人たちに聞きました。
彼らの話を総合すると、合格ラインは合計点で57点から61点ぐらいのようです。
各科目の足切りラインもあるようです。
足切り点は各科目13点を基準に毎年1〜2点の上下があるようです。
 文章の表現として「〜ぐらい」と言う不確定な言葉は使いたくないのですが、2級建築士試験を実施している社団法人建築技術教育普及センターに問い合わせても教えてくれないのです。
 私の著書以外で各分野6割の点数を得点しないと足切り点に引っかかるような事が書いてありますが、あれは嘘です。各分野25問なので6割と言いますと、15点です。
また、合計得点が60点で合格するような事も書かれています。
なぜこのような嘘を書くのか疑問に思います。
 私はこの点数にこだわります。



<目標得点> [TOP]
 合格ラインから目標得点を決定します。
 2級建築士学科の試験の合格ラインは、約57〜61点ぐらいと記しました。毎年、難易度によって多少変化するようです。
 まず、総合計目標得点ですが、合格ラインが約57〜61点の事なので目標得点を余裕をみて65点とします。
 受験科目は4科目ですので、1科目平均、目標点数65点割る4で、16.25点となり切り上げると17点です。
 1科目25点満点中、平均17点も取るのは非常に困難です。 この本の本題ですが、法規科目に限り20点〜満点の25点を取る方法があります。
 もし、法規科目20点取れたとしたら、総目標点数65点引く20点で、45点。この45点を残り3科目で割ると、法規以外の科目は、平均15点でよいことになります。
 ここで考察ですが、15点というと、逆に考えると1科目25点満点なので25点引く15点で、10点となります。つまり、1科目平均10問、間違えることができるのです。
 そして、受験生にとってもっと有利なことがあります。2級建築士学科の試験は先ほども述べたように試験問題1問に付き5つの選択枝があり、その中から1問選択するだけです。
 しかも、必ず正解が1問あり、そしてさらに、その正解番号が1番〜5番までほぼ均等になっています。 確率的にいうと、でたらめに解答しても2割は正解になります。
 先ほど目標点数15点といいましたが、もし25点満点のうち確実に15点分の解答ができたとして、残りの10点分をでたらめに解答したとします。確率的に2割は正解するはずなので、10点の2割は2点となり、15点たす2点で得点は17点となります。
 この考え方を逆説的に応用すると、確実に解答し正解する問題が13点分、確率的に正解する問題が2点〜3点分となります。
 これで、合計15〜16点になり、目標点数の1科目に付き15点はクリヤーします。
 つまり、1科目に付き13点分の勉強をすればよいことになります。
 また、13点得点出来たとすると足切りラインに触れる確率が少なくなります。
 13点というと、1科目に付き約半分です。



<合格しない理由> [TOP]

 2級建築士試験学科の試験は毎年4〜5万人が受験して1万5千人から1万8千人が合格します。
製図の試験の合格者1万2千人から1万4千人です。
学科の試験の合格者は、合格年とその翌年、翌々年の受験機会が与えられている事から、このような数字が出てきているように思います。
これらの数字は社団法人建築士会で教えてもらいましたので正確です。
 学科の試験に合格出来なければ二次試験である製図の試験の受験資格がないので、ここでは学科の試験に付いて述べます。
 合格率では約30%になります。合格しない人の方が多いのです。
 合格しない理由を各科目箇条書きにしてみますと、

(建築計画科目)
  • 参考書を読んで分かったつもりになっている。
  • 参考書を覚えようとしている。
  • 常識の範囲で解答できる問題もあるので何も対策しない。
(建築法規科目)
  • 法令集の持ち込みが認められているので安心している。
  • 法令集を建築基準法第1条から読んでいる。
  • 法令集の選択に誤りがある。
(建築構造科目)
  • 参考書の構造科目のページを開いて初っぱなから構造計算分野に直面して勉強する気がなくなっている。
  • 構造計算の全てを理解しようとしている。
  • 構造計算を理解しようとして高校で習った微分積分から学ぼうとして時間と、やる気がなくなった。
  • 構造計算を理解しようとして分からないのに分かった気になっている。
(建築施工科目)
  • 参考書を1ページ目から勉強している。
  • 現場実務経験者で特に、不確実な現場用語を覚えている。
  • 現場経験があるので何も対策しない。

 以上となります。
 過去に2級建築士試験を受験された方、このような事、経験ありませんか。この逆をすれば合格するのではないですか。このような考えをもとに過去問題に目を通して見ましょう。今まで見えなかったものが見えてきます。



<2級建築士学科の試験問題の観察と分析> [TOP]

 2級建築士学科の試験問題を過去10年間分集めてきました。
それらの問題をみますと、「これ本当に2級建築士の問題?」と思える事が多くあります。
正直な感想は、分野にもよりますが「1級建築士の問題とほとんど一緒」です。出題されている内容が少し浅いと思われるぐらいです。 
 2級建築士の試験で建築法規科目の建築士法では、2級建築士でないと出来ない仕事があります。
当然、建築士法の出題はその部分からです。
同様に、1級建築士試験では1級建築士でないと設計・監理が出来ない仕事があります。
これも当然この部分からの出題になります。
 これらの多少の違いはあるにせよ、共通している問題がほとんどです。
問題だけでなく、出題のされかた等も非常に似ています。
各分野の出題番号順に出題の内容も殆ど同じです。
 具体的に、建築計画ですと毎年1問目は建築史の分野からです。2問目は単位を問われています。
 このような事を考慮に入れながら各科目の問題を観察してみます。

(建築計画科目)

 計画科目の建築史の分野では、建築物とその時代、建築家とその作品を合わす問題が出題されています。
これらは暗記していなければ絶対に解けないものです。
また環境分野では色々な単位を問いかけられます。
これなども、暗記してなければ解答できません。
 しかし、今述べた建築史の分野と環境分野とでは、同じ暗記でも暗記の範囲が違うのです。
建築史の分野は暗記するにしてもあまりにも範囲が多すぎます。
このようなことで、多くの時間を取るのは合格のために賢い勉強とは言えません。
建築史の分野は毎年1問、よく出ても2問です。
 とばしてください。この分野は、勉強しないでください。
 環境分野では毎年単位の問題が必ず1問出題されます。
単位の問題の場合出題される所が決まっています。このような所を重点的に勉強するのです。
 私が懸念するのは、勉強に多くの時間が取られる事により、折角の「やる気」が無くなる事の方が心配です。

(建築法規)

 前書「1級建築士試に面白いほど受かる本」が多くの読者に支持された理由は、建築法規科目の分析にあると思います。私も一番の自信のあるところです。
 法規科目の出題には重大な規則性、出題パターンがあります。
 この出題パターンに沿って勉強すれば、ほとんど全ての受験生が法規科目については、ほぼ満点が取れます。
 勉強といっても、多くの事柄を暗記するとか、構造計算のように分からない事を分かったつもりになるような勉強ではありません。安心してください。
 毎年出題分野と出題番号がほぼ完全に対応しています。
 このことを受験生に有利に利用できないかと考えました。
 法規の科目は唯一、法令集の持ち込みが許されています。
この持ち込み法令集を受験のルールに従って加工するのです。
その結果、法令集を問題の数に分けることを思い付きました。
各分野ごとに法令(建築基準法、建築基準法施行令、建築士法、建設業法、都市関係法、消防法、その他関係法令)を分類すると、融合問題を除くと、約20問になります。
 つまり、持ち込み法令集に約20種類の見出し「インデックス」を、受験のルールに違反しない範囲で、出題番号順に貼り付けるのです。
 この方法ですと、毎年出題番号と出題分野がほぼ完全に対応しているので、極端な話、問題を読まないでも問題番号を見るだけで法令集の調べる所が分かります。
そして調べる法令が分かると、まず間違いなしに正解できます。 

問 1・・・用語の定義
問 2・・・面積・高さ
   ・      ・
   ・      ・
   ・      ・

 この持ち込み法令集の作り方をの後ほど詳しく述べることとします。

(建築構造科目)

 学科別の足切りラインの最も低い科目は構造科目です。
 おそらく、構造計算が受験生にとって苦手ではないかと思います。
この分野を観察すると構造科目25問中、構造計算が必要なのは6問です。
多い年で7問しか出題されていません。この6〜7問を分析すると、「単純ばり」に関する問題が2〜3問出題されています。また、「トラス」に関する問題も1〜2問出題されています。
これらは力の合成と分散を理解する事によって解答できます。
複雑な公式を覚えたり、理解する必要は少ないと言えます。
 この構造計算が必要な6〜7問の内、ちょっと勉強すれば1〜2問は解答出来ると思います。
残りの4〜5問は無視して下さい。確率的にはでたらめに解答しても1問は正解すると信じて下さい。
構造計算が得意な受験生は別ですが・・・。
 合格を手にできない受験生は構造計算を勉強している過程で嫌気がさし、構造科目全ての勉強をしないまま受験当日をむかえているのではないかと思います。
構造科目の問題は、意外にも構造計算以外の分野の問題は簡単です。出題される範囲も限られています。
 このように試験範囲を受験生が自分で自分の技量に合わせて、絞り込むのも一つの方法です。

(建築施工科目)

 計画科目の所で述べた事と同じようなことが施工科目にもあります。
 たとえば、施工計画や工程表などの分野では必ず1問出題されます。この分野も毎年出題されるところが決まっています。
これらにくらべて施工法、施工機器、施工用語など暗記していなければ絶対解答できない問題であるのに、暗記する事項が余りにも多いものがあります。
他の分野で約半分得点する自信があれば、このような分野は割愛するのも1つの方法です。
 以上が過去問題の私なりの観察と分析です。
このことがこれから建築士試験を受験される受験生の基本的な勉強の方針になります。



<受験の為に容易するもの> [TOP]

 いくら私がこの本で問題の分析結果を発表してもこれだけでは合格しません。
 受験の為に用意するものがあります。
 受験生は建築士試験を受ける為に本屋さんへ行きます。建築の書籍が並んでいるコーナーへ足を運びます。
そこには20〜30種類の建築士受験の本が並んでいます。
手に取ってみるとそのどれもが必要と思えてきます。
 私にも経験がありますが、どの本を買って良いのかさえ分かりません。
 建築法規科目の試験では法令集の持ち込みが許されています。
法令集だけでも数種類あります。縦書き、横書き、表紙の青い本、赤い本、大きい法令集、小さい法令集。
 あなたなら、どの本を選択しますか。
 一般に、受験生の行動パターンでは、勉強する目的で本屋さんへ来ているのです
から先ず参考書を買います。勉強する意欲のある受験生ほど、分厚い参考書を買います。出版社によっては計画、法規、構造、施工、各科目別に4冊に分かれた参考書も販売されています。・・・4冊選択しました。
 次に、問題集を選択します。問題集だけでも数種類並んでいます。どれもが購入したくなるような本の題名です。
・・・適当に2冊ほど選択しました。
 法令集ですが、あまり大きいものは重たいので「小さめの法令集を購入しようかな〜」と独り言。
・・・一番小さい法令集を購入しました。
 合計しますと、参考書4冊、問題集2冊、法令集1冊、計7冊になりました。
 建築士試験の本はどれも高価です。1冊平均2〜3千円します。2千5百円としても計7冊ですので、1万7千5百円になりました。
 このような経験しませんでしたか。こころ当たりありませんか。
 上の行動パターンを取っている受験生は合格しないのです。
 これでは受験参考書や問題集、法令集等を出版している出版社の思うつぼです。出版社の作戦にはまったのです。受験と言う戦いに行く途中で、出版社の作戦にはまっていたのでは本屋さんへ行った意味がありません。
 では、どのような参考書、問題集、法令集を購入すれば良いのでしょう。
 参考書ですが、これは何でも良いのです。多くの偉い先生方が書かれた本が書店に並んでいると信じていますので、内容が間違っているとは思えません。
 後は、受験生にとって「読みやすいか」だけが選択の基準になります。このテキストの一番の目的である「最小の努力で最大の効果=合格」と言う主旨から言いますと、出来るだけ4科目が1冊に編集された参考書が良いと思います。参考書は読んで字のごとく参考にするだけですから。
 次に問題集ですが、これは私の推薦するものを購入して下さい。理由は、建築士試験では「引っかけ問題」が多く出題されています。同じ事を問うのに別の表現をしたりしています。これではいくら真剣に参考書に書かれた内容を勉強しても正解にはたどり着けません。この出題者側の作戦にはまらないようにしなくてはなりません。
 では、出題者側の作戦にはどのようなものがあるかと言いますと、問題の数だけあると言えます。出題者もプロですので、この挑戦を受けて立つ受験生もそれなりに作戦に打ち勝つ手段を持っていなければなりません。
 このような考えで市販されている問題集を見てみますと、出題者側の作戦に相当するのが過去問題、作戦に打ち勝つ手段が正解にたどり着くまでの解説となります。

 この条件を一番満たしているのが以下に紹介する問題集です。

発行所 相模書房 東京都中央区銀座2-11-6 竹田ビル 電話03-3542-0660

  • ○○年度版 2級建築士問題選集
     (コンピューター編集により、よく出る問題がひと目でわかる!)

 この問題集は過去問題を各科目、各分野ごとに編集してあります。各分野ごとに5〜10問の問題を編集しています。これによって問題のなされ方や傾向が理解できます。嬉しい事に、各問題の解説が非常に丁寧です。この解説を読むだけで勉強になります。参考書は必要ないぐらいです。もし、この解説だけで不十分と感じた受験生は参考書を参照してください。
 法令集は、特に重要ですので慎重に選んでください。
 皆様が見やすい、読みやすい法令集を購入してもらえれば良いのですが、法令集によっては試験会場へ持ち込めないものもありますので注意が必要です。そしてこれが最も肝心なのですが、出来るだけ大きい法令集が必要です。と言いますのは、この法令集にたくさんの見出しを付けてもらわなければなりません。見出しを貼りつけるスペースをできるだけ多く取りたいのです。 

霞ヶ関出版社

  • 基本建築関係法令集○○年度版

井上書院

  • 基本建築関係法令集○○年度版
     等があります。これらはA5版です。

 私の好みですが、横書きの法令集の方が縦書きより見やすいと思います。理由は法令集の特に構造の分野では計算式や数字が多く記載されている事によります。このテキストでは横書きの法令集を購入したとして話しを進めます。

 それと、これも重要なことですが最新版の法令集を求めてください。
 法令集に貼り付ける見出し「インデックス」も必要です。色々なメーカーから多くの種類が発売されています。
 法令集に学科の試験「法規科目」の分野別出題順別に多くの見出し「インデックス」を貼り付ける必要から、できるだけ小さな見出し「インデックス」を用意してもらはなければなりません。しかし、小さすぎても文字が書き込めないので適当な大きさのものを探しました。何種類か書いてみます。

KOKUYO(コクヨ)

  • タックインデックス「ター20B」青色
  • タックインデックス「ター20R」赤色

 これは、大きさは、形状、購入のしやすさは私の求めているものにピッタリなのですが、欠点が一つあります。青色、赤色とあるのは、見出し「インデックス」の廻りに御丁寧にも青色と、赤色の枠線があるのです。これが邪魔です。この枠線があるために、文字を書き込むスペースが少なくなります。そこで、見出し「インデックス」用のものではなく、ラベル用のものを探しました。

NICHIBAN(ニチバン) ニチバン株式会社 〒112 東京都文京区関口2-3-3
 お客様相談室 電話03(5978)5622

  • マイタックラベル 「ML-17」

 これは、本来ラベル用のものです。寸法は19×33ミリメートルで、各角に丸面を取っています。実際に法令集に張り付ける時は、二つ折りにして張り付けます。このような理由から、マイタックラベルが手に入るようでしたら、これを求めて下さい。多分、ちょっと大きめの文房具屋さんで入手可能かと思われます。
 そして、この見出し「インデックス」に文字を書き込む為に出来るだけ細いペン先のペンが必要です。何種類か記します。

サクラカラー

  • PIGMA MICRON 005「青色」
  • PIGMA MICRON 005「赤色」 

 このペンは、私の受験の時にも御世話になり、前書「1級建築士に面白いほど受かる本」の紙面でも推薦したのですが、欠点があります。ペン先が多分、柔らかいもので製造されていることにより、使用頻度が多くなると、ペン先が太くなります。又、私の指示した見出し「インデックス」に書き込みますと、インクがにじみます。
 これらのことを踏まえて、このテキストを書くに当たり、色々探しました。より良いものがありました。

PILOT(パイロット)

  • HI-TEC-C 0.3 「青色」
  • HI-TEC-C 0.3 「赤色」

 これは、ボールペンです。商品名の後に「0.3」とあるのは、ペン先の太さを表しています。同じシリーズで「0.5」等がありますので、購入の時には注意して下さい。この商品のパッケージに書いてある「売り文句」に私は心を奪われました。「バイオポリマーインキ使用でにじまない!」
 先のサクラカラーの0.05ミリメートルとパイロットの0.3ボールペンで、書き比べてみましたところ、パイロット方が、0.3ミリメートルにもかかわらず細い字が書けました。よって、此方を推薦します。
 法令集にアンダーラインを引くために色鉛筆を購入して下さい。先ほどの、パイロットボールペンでアンダーラインを引きますと、法令集の紙が薄いので裏写りします。

メーカーは問わず

  • 赤鉛筆

 赤鉛筆でアンダーラインを引くのですが、誰だってミスはあります。間違った場所にアンダーラインを引いてしまう事もあります。色鉛筆ですので、普通の消しゴムでは消えません。砂消しでは、法令集の紙が薄いので、破れてしまいます。色鉛筆が消える消しゴムはないかと探しました。

SEED(シード)

  • CP-10 色えんぴつ、柔らかい鉛筆(B〜6B)用

 以上で、すべてそろいました。

 ちょっと休憩

 今紹介した出版社や文房具メーカーに、身内や友人がいる訳ではありません。
面倒を見てもらっているわけでもありません。良い物は良いのです。
 このテキストを出版している株式会社中経出版のふところの深さには感謝しております。
ライバル会社の著作をライバル会社の書面で紹介しているのですから。
編集者からも私に対して一切の苦言はありませんでした。



<受験対策および方針> [TOP]
 2級建築士試験に合格する為には100点満点は必要ありません。
 2級建築士学科試験では<目標得点>の項で述べたように、建築法規科目を除いて1科目に付き約半分得点すればいいのです。残りの半分は勉強する必要はありません。
 では、効率よく、約半分得点するためにはどのようにすれば良いのかを考察します。
 みなさまはボーリングをしたことがありますか。ボーリング場には行った経験ぐらいはあるでしょう。
 隣のレーンで小学生ぐらいの女の子がボールを重たそうに両手で持っています。よろよろと助走をしてボールを投げます。「ごろっ、ごろっ」とボールが転がりました。
 「ストライク」
 次に私の番です。私は身長178・、体重93・、握力70・もあります。渾身の力を込めて思いっきり投げます。
 「あれっ、ガーター」
 このような光景、見たことないですか。
 なぜ女の子が「ストライク」で私が「ガーター」なのか。理由は簡単です。
 ボールの方向が悪かったのです。力だけでは当然私が勝っています。
 2級建築士試験でも同じことが言えます。過去何度か受験して合格しなかった受験生、現場などで上司や部下に信頼されていて仕事も良くできるのに建築士試験に合格できない現場監督、ここのところを気付かなかったのではないですか。
<受験の為に用意するもの>の項で購入した相模書房の「○○年度版2級建築士試験問題選集」を手元に持ってきてください。
 この問題集は、科目別、分野別に丁寧に編集してあります。解説も非常に親切です。
 まぁ、だまされたと思って問題を解いて下さい。正解出来た問題も、不正解の問題もあるでしょう。解説を読み、納得出来るものもあるでしょう。納得出来ないものもあるでしょう。短期間で暗記出来るもの、出来ないものもあるでしょう。
 それらをすべてマスターする気にはならないでください。勉強するのが嫌になります。
 ひと通り目を通したとします。面倒ですがもう一度初めから問題を見て下さい。
 何か感じませんでしたか。
 各科目、各分野共通している事は「引っかけ問題」が多いでしょう。分野別に出題されている範囲にムラがあるでしょう。暗記する範囲に比べて出題されている事が少ない問題、暗記する範囲に対して出題頻度が高い問題。
 これらは<2級建築士学科の試験問題の観察と分析>の項で述べた私の感じたことです。
 私の感じたことを読者のみなさまも感じる事が出来たとしますと、合格までの勉強の方向(方針)は間違っていません。
 ここからは受験生個人の好みですから一概には言えませんが、各受験生が「この分野なら何とかなる」「この分野は範囲が広すぎて難しい」と感じるとするなら、各科目ごとに「何とかなる」分野と「ちょっと勉強したら何とかなる」分野と「難しくて訳がわからん」分野に分類して下さい。
 私の著書以外の受験の指導書に「分からない事を勉強せよ」「苦手な分野を克服せよ」のような事が書かれています。
 私には「飛び込み営業」の経験があるのですが、営業する前に書店に行って営業のノウハウ書を購入して、それを読みました。「苦手な相手ほど足を運べ」、「行きにくい相手ほど足を運べ」と言うようなことが書いてありました。私は素直ですので、その通り実践してみました。
 結果は、散々でした。ストレスはたまるは、営業の実績は上がらないは、散々な目にあいました。
 これでは「いかん」と思い、方針をかえました。
 「行きやすいところに集中して足を運ぶ」「自分を気に入ってもらえたところに足を運ぶ」「私が好意を持った人のところに行く」です。この方針をしばらく続けますと、営業先で、仕事をしてるのやら、お茶を飲みにいっているのやら、バカ話をしに行っているのやら分からなくなりました。
 私が販売しようとする物を買ってもらえそうな営業先をNTTの職業別電話番号帳で120件拾い出しました。その名簿を持って「飛び込み営業」したのです。
 結果は、120件営業した中で50件の得意先が出来ました。そしてその得意先と親しくしている内に、その得意先から新たな顧客を紹介してもらいました。最終的には何と、120件中約90件が御得意さまになりました。残りの30件は多少の努力をしたのですが、結果は無でした。
 ここで得た教訓としまして、「嫌な奴は、嫌」。努力以前の問題です。
 先ほど分類した「難しくて訳がわからん」分野はとばして下さい。そして各科目その分野をとばしたとして、25点満点中13点、可能であれば15点正解出来るようにして下さい。これなら、受験に対してストレスもたまりません。毎日が楽しくなります。
 しかし、全問題「難しくて訳がわからん」では話しになりませんのでもう一度出直してください。
 2級建築士受験で過去に失敗している受験生は「難しくて訳がわからん」分野から勉強して、本来の目的が2級建築士試験に合格する事のハズなのに、いつの間にか、「難しくて訳がわからん」分野の勉強をする事が目的になっているように思います。
 これでは、合格にたどり着けませんし、毎日が楽しくありません。



<勉強する順序> [TOP]

 効率よく勉強するには順序があります。
 法令集を読みますと、建築法規科目以外の各科目の問題が法令集から出題されている事が多々あります。建築士の試験ですから当然かもしれませんが。
 今回の受験だけでなく、建築士になってから仕事で一番御世話になるのが法令集です。建築の全てが記載されていると言っても過言ではありません。
 「へぇ〜、こんな事まで載ってるの」と言うのが私の正直な感想です。
 「持ち込み法令集の作り方」は次の章で詳しく述べますが、せっかく勉強するのですから、先ず初めにこの「持ち込み法令集」を作って建築法規科目の勉強を最初にするのが効率が良いと思います。
 買って来たばかりの真っ新の法令集では何処に何が書いてあるか分かりません。
法令集に見出し「インデックス」を張り付ける作業をする事で、今まで「取っつきが悪かった」法令集が愛しくなります。「愛読書にしても良いかな〜」と思えます。ちょっと言い過ぎました。



<持ち込み法令集の作り方> [TOP]

 手元に購入された法令集を持ってきて下さい。初めて手にする受験生はどこに何が書いてあるのか分からないでしょう。パラパラとページをめくっても漢字が多く 取っ付きにくいでしょう。各法令ごとに目次がありますが、これも決して見やすいものではありません。
 今から、この「取っ付きにくい法令集」を整理・分類し、読者の愛読書にする為に見出し「インデックス」を張り付ける作業をしてもらいます。
この作業の目的は 、2級建築士試験の試験会場で効率良く法令集の各条文を検索し、限られた時間の中で、正解を見つけ出す事にあります。
 2級建築士試験の法規科目の問題を分析しますと、毎年ほぼ、同じ順番で各分野からの出題がなされています。
例えば毎年1問目は「用語の定義」、2問目は「面積高 さの算定」、3問目は「申請及び確認」となっています。年度によっては前後する場合もありますが。
 ここで注意せねばならない事があります。受験要項の中で、「建築士試験の学科の試験において使用が認められる法令集について」の項で指示されているルールを 守らなければなりません。
以下抜粋します。

注意
使用が認められている「法令集」以外のものを使用した場合には、退場を命じますので、十分注意してください。
法令集
学科「(建築法規)の問題を解答する場合に限り、次の1及び2の条件を満たす法令集の使用が許可されます。
  1. 条文等の順序がの入替及び関連条文等の挿入を行っていないこと(各条文などの省略は認められる)。
  2. 次に掲げる簡単な書き込み及び印刷以外に解説等を付していないこと。
    イ.  目次、見出し及び関連法令・条文等の指示
       (法令、章、節、条等の名称、番号及び掲載ページを限度とする)
    ロ.  改正年月日
    ハ.  アンダーライン

 この条件の中で法令集を加工しなければなりません。
先ほど「用語の定義」や「面積・高さの算定」と書きましたが、この言葉一つ取っても受験のルールに反しない 言葉を選らばなければなりません。
「用語の定義」は建築基準法第2条、「面積・高さの算定方法」は建築基準法施行令第2条の各条の名称です。
具体的には、先の「持 ち込み可能な法令集」の2項のイ.(法令、章、節、条等の名称、番号及び掲載ページを限度とする)に則ったものになります。
 見出し「インデックス」に記入する言葉、法令集を整理分類する項目の名称など、より詳しく記入したい事項もありますが、この条件の中から選択しなければなり ません。
また、試験時間内に解答する必要から、解説等を書き込みたい気持ちは理解できますが、受験のルールに反します。

 

これらの条件の中で、建築基準法関係法令集を分類する項目の名称を考えました。
  • 用語の定義
  • 面積高さの算定
  • 申請及び確認
  • 一般構造
  • 構造強度
  • 防火・耐火及び避難
  • 内装制限
  • 建築設備
  • 道路
  • 用途地域
  • 建ペイ率・容積率
  • 建築物の高さ斜線制限
  • 防火地域・準防火地域
  • 建築基準法・施行令融合問題
  • 建築士の試験・登録及び業務
  • 建築士事務所の登録及び業務
  • 建設業法
  • 都市関係法令
  • 宅地造成
  • 高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律
  • その他関係法令融合問題

 以上となります。

この名称でそれぞれの問題の内容が何となくイメージ出来ると思います。
そして、この名称の順番は、ほぼ、2級建築士学科試験、学科「(建築法規 )の各問題の出題順になっています。
 しかし、限られた条件の中で各項目の名称を表す必要から、たとえば、「申請及び確認」としているのは、本当なら「建築手続き」とでも記したいのです。
しかし、このように表現しますと受験のルールに反します。
なぜならこのような言葉は各条の名称に無いからです。
各名称ごとに言葉に幅を持たせて解釈してください。
 また、注意が必要なのは、「建築基準法・施行令融合問題」と「 その他関係法令 融合問題」です。
これらの項目の名称の中で融合問題と記しているのは、過去問題を分析している時に、どの項目にも分類出来ないものを私は融合問題と言う名称で 表しました。
そして、「建築基準法・施行令融合問題」とあるのは、建築基準法(建築基準法施行令、建築基準法施行規則等を含む)の中での融合問題と理解してく ださい。
「その他関係法令融合問題」と記しているのは、建築基準法(建築基準法施行令、建築基準法施行規則等を含む)を含まない法令で、どの項目にも分類出来 ないものを表しています。
 これも、「融合問題」と言う名称を法令集に書き込みますと受験のルールに反し ます。
ここは、読者がご自分で理解出来る名称を考えて下さい。
また、「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」と言う名 称の法律名は長すぎますので、通称の「ハートビル法」と表します。
しかし、私の手元にある霞ヶ関出版社の基本建築関係法令集の何処を探しても、「ハートビル法 」と言う名称は記載されていません。
よって、細かい事ですが、読者の法令集には「ハートビル法」と書き込まないで下さい。
 以上で、2級建築士学科試験、学科「(建築法規)の各問題の項目ごとの分類はできました。
 これから具体的に法令集を加工する作業を指示します。
 法令集の表紙をめくってください。白紙のページがあります。このページに先の項目分けした名称を記入します。
法令集はA5版ですので縦方向の長さは210ミリメー トルあります。
上下5ミリメートルを残して内寸法を10等分します。
ピッチは20ミリメートルです。
横方向ですが法令集の幅150ミリメートルあります。
これを上下共、 右側から30ミリメートル残した位置から左側に20ミリメートルピッチで3カ所づつ取ります。
これらの寸法取りは正確にして下さい。白紙のページは勿論ですが、法令 集の側面にも補助線を引いて下さい。
これらはHの濃さのシャープペンシルで引くのが適当かと思います。
 これで法令集を上下3カ所、側面10カ所、計16カ所の区分けが出来ました。
先に述べた項目の数は融合問題も含めて計21項目あります。
今、区分けした数では足りません。そこで、側面部分を2度使いする事を思いつきました。
 次に、区分けした個所にそれぞれ番号を打ちます。
白紙のページの右側から、15ミリメートルピッチで2本補助線を入れてください。
この縦の補助線と先ほどの横の補助線との交点の右側に小さく番号を記入します。
初めに縦方向の補助線2本の内 、左側の補助線と横方向の補助線の交点に上から1、2、3、〜10まで、上に戻って今度は、上面の3カ所を左側から、11、12、13、次に下面の左側から14、15、16、また 、上に戻って17、18、19、〜26と記入します。
これで少しキュウクツながら法令集を26に区分け出来ました。
今度はこの番号の右横に項目を記入します。順序は先ほどの項目順に記入してください。

  1. 用語の定義
  2. 面積高さの算定
  3. 申請及び確認
  4.    ・
  5.    ・
  6.    ・
  7.    ・
  8.    ・
  9.    ・
  10. 用途地域
    上に戻って、上面左側から
  11. 建ペイ率・容積率
  12. 建築物の高さ斜線制限
  13. 防火地域・準防火地域
    次は下面左側から
  14. 建築基準法・施行令融合問題
  15. 建築士の試験・登録及び業務
  16. 建築士事務所の登録及び業務
    また、上に戻って
  17. 建築業法
  18. 都市関係法令
  19. 宅地造成
  20.    ・
  21. その他関係法令融合問題
  22. 予備
  23. 予備
  24. 予備
  25. 予備
  26. 別表(この見出し「インデックス」は下面に張り付ける事

となります。

 他に法令集では別表という項目があります。別表だけを見ることは少なく、各法令と同時に見る必要があります。
これらの理由から、別表の項目を作ります。 別表を26番に指示した理由は法令集は左綴じで横書きです。
先に示した項目の名称の各条文は殆ど、法令集のページの前半にあります。
つまり、法令集を閉じて机に 置いた状態から、各条文をめくる時には左手でページをめくる事になります。
試験中、法令集の「別表」の項を引く機会が多くあります。
26番の位置ですと、丁度左 手の親指の位置でページを繰る事になります。
この位置が検索しやすいのです。これで法令集の区分けは完成しました。
残りの区分け部分は読者の予備に使用してください。
 現時点で、法令集の各項目の名称と、法令集の区分け、その区分けした位置に各項目の名称を記入する場所、そして、その位置に各項目の名称を書き込む事まで出来ました。
 次に、各項目ごとの各条文にアンダーラインを引き、見出し「インデックス」を張り付ける作業をします。
 次章に各項目ごとに法令の一覧を記載しています。そしてその法令も建築基準法から同施行令、同施行規則・・・と法令集の各条の条番号の小さい順に並べ替えて あります。
つまり、法令集のページの小さい順に並べてあります。これらの各条、各条の名称、用語及びキーワードにそれぞれアンダーラインを引き、見出し「イン デックス」を張り付ければ良いように編集しています。
この見出し「インデックス」には各条の名称を書き込みます。
次章で、(・・・)と表している所です。

 例1 建築基準法第2条(用語の定義)

この条ですと(用語の定義)と見出し「インデックス」に書き込みます。

 例2 建築基準法第6条(建築物の建築等に関する申請及び確認)

この場合ですと、(建築物の建築等に関する申請及び確認)と見出し「インデック ス」に書き込みます。
以下同じ。

 次にアンダーラインを引く所ですが、これは、各条、各項、各号とキーワードの 部分に引いてください。
キーワードを各条や各項、各号の下に記しています。
これは過去問題でこの部分から問われている所を示したものです。実際の試験では、このキーワード以外の部分からの出題も予想されますので、読者がそれぞれ各条文を読んで適当にアンダーラインを引いてください。しかし、出題される条名が変わる 事は無いと思います。例としましては項目名「用語の定義」の分野では、必ず建築基準法第2条(用語の定義)から出題されています。
しかし、次章で私が指示してい るのは建築基準法第2条1号から9号までと14号だけです。
これは過去問題約10年間分 の出題実績です。この条では10号と11号12号13号と15号〜31号は指示していませんが出題される可能性はあります。
同じような事が「キーワード」でもあります。こ れは各条分が非常に長い場合、その条文のどの部分から出題されるかが分からないからです。
私が指示しているキーワードも過去問題約10年間分の出題実績ですので 条文中他の部分からの出題も予想されます。これらの事をふまえて読者がご自分で判断してアンダーラインを引いて下さい。しかし、法令集丸ごと全部にアンダーラ インを引いては意味がありませんので注意してください。
 この「持ち込み法令集」を作る目的は、試験中に「どこに何が書いてあるか」を 探す手がかりの助けになる事ですので、気軽に考えて下さい。
 私は受験の時に、受験日まであと1カ月と迫っている時期に、この作業を能率良く する方法がないかと模索していました。そして、前書「1級建築士に面白い程受かる本」の執筆の時にも模索しました。そしてこのテキストを書いている今も考えています。
 私の受験の時から今まで足掛け6年間考えている事になります。しかし、私の受験の時に模索した方法、つまり、前書を執筆した時以上のものが無い事を結論としま す。以下に指示する方法より、もっと良い考えがあれば私宛にファックスか手紙でも下さい。今後の紙面の参考にします。
 実際に法令集にアンダーラインを引き、各条名を見出し「インデックス」に書き込んで法令集に張り付ける作業をしようとすると困った問題が発生します。
 アンダーラインを引く事が先なのか、見出し「インデックス」を張り付ける作業をするのが先なのか、の問題です。
 先に見出し「インデックス」を法令集に貼り付けてしまうと、見出し「インデックス」に文字(条等の名称)などを書き込むことが出来ません。
では、見出し「イ ンデックス」に文字(条等の名称)などを記入したものを先に用意すると、問題は解決するのですが、困ったことに、読者が購入されたそれぞれの法令集によって、各条が記載されているページが違うのです。
これは、同じ出版社から出版されている法令集でも発行年月日によっても違いがあります。
 具体的には、法令集を開くと左右2ページになります。この2ページに私が指示する条文、条等が一つなら、この条等の名称を見出し「インデックス」に書き込んだものを先に用意することができますが、実際には、2つ以上あるものが多くあります。

 この問題を解決する為と、より検索しやすい法令集を作る為に見出し「インデッ クス」を法令集に張り付ける時のルールを作りました。

法令集に見出し「インデックス」を張り付ける為のルール --- 1

 法令集を見開いた時に、左ページに記載されている条文を指示するときも、右ページに記載されている条文を指示するときも、必ず見開いた右側のページに見出し 「インデックス」を貼り付ける。

 複数の条文が1つの見開き(左右2ページ)にある場合、法令集に各番号を区割り したスペース及びページに複数の見出し「インデックス」を貼り付ける事になり、技術的に不可能になります。この不都合を解決するために、

法令集に見出し「インデックス」を張り付ける為のルール --- 2

 法令集を見開いた時に、複数の指示した条文があるときには、その複数の条文の 名称を一つの見出し「インデックス」に記入する。

 この場合、複数の条等の名称を一つの見出し「インデックス」に記入することに なりますので、出来るだけ細いペン先のペンが必要になります。<受験の為に用意する物の項で購入してもらった、0.3ミリメートルのボールペンの出番です。

 この2つのルールを守った上で、具体的な作業工程としまして、先ず、私が指示する条文、条等を法令集に色鉛筆でアンダーラインを引いて下さい。
そして、法令集 に付けた番号の区分けスペースに、つまり、各項目の名称の区分けスペースに、その作業を完了した時点で、法令集の見開き左右2ページの中の条等の名称を、見出 し「インデックス」に記入してから、開いた法令集の右側のページに貼り付けてください。
 作業自体は簡単なのですが、言葉にするとややこしくなりましたので、いくつか の例をあげて解説します。
 例、次章の一番最初のページ中央上に「用語の定義」という項目の名称があります。法令集に付けたスペース番号では、1番になります。
建築基準法第2条(用語の定義)にアンダーラインを引く場合でしたら、先ず、建築基準法第2条の記載されて いる法令集のページを開きます。
次に、その条番号、条の名称、用語及びキーワードにアンダーラインを引きます。
そしてこの条文の条の名称、この場合でしたら、(用語の定義)を見出し「インデックス」に記入します。
この見出し「インデックス」を法令集の建築基準法第2条が記載されているページの見開き左右2ページの右 側のページのスペース番号1番に正確に張り付けます。
 この例は、法令集の見開き左右2ページに私が指示する条番号(条の名称)が一つですから、簡単です。
 次に、項目の名称が「申請及び確認」で建築基準法第43条(敷地等と道路との関係)と建築基準法第44条(道路内の建築制限)にアンダーラインを引く場合を示し ます。
私の手元にある法令集では、建築基準法第43条と建築基準法第44条は法令集を見開いた場合、左側のページと右側のページにそれぞれ記載されています。
これも、法令集に見出し「インデックス」を張り付ける為のルールの通りに行います。
先ず、見出し「インデックス」を張り付ける場所ですが、スペース番号3番です。
建 築基準法第43条(敷地等と道路との関係)の条番号と条の名称(敷地等と道路との関係)と用語及びキーワードにアンダーラインを引きます。
見開いたそれぞれ左右 のページにこの条だけでしたら、この条の名称を見出し「インデックス」に記入して法令集に張り付けて作業は完了ですが、この場合、建築基準法第44条も記載され ています。よって、建築基準法第44条(道路内の建築制限)の条番号と条の名称(道路内の建築制限)と用語及びキーワードにアンダーラインを引きます。
そして、 先の(敷地等と道路との関係)と(道路内の建築制限)の二つを見出し「インデックス」に書き込みます。最後に、この見出し「インデックス」を法令集スペース番 号3番の位置に、法令集の見開き左右2ページの右側のページに正確に張り付けます。
 これで、大体の段取りは分かってもらえたと思います。
私の決めた見出し「インデックス」を張り付ける為のルールを完全に理解して下さい。
法令集に張り付ける見出し「インデックス」のが相当数ありますので、このルールを理解していません と、途中で訳がわからなくなります。
 その他、いくつかの注意事項を記します。
 次章に各項目の名称ごとにそれぞれの条の番号や条の名称を示していることは既に述べました。
次章をよく見てもらえれば分かる事ですが、同一の条文(条の番号や条の名称)で複数の項目の名称を指示しているところがあります。
例えば、先の 「申請及び確認」の項目の名称では、建築基準法第44条(道路内の建築制限)、「道路」の項目の名称でも建築基準法第44条(道路内の建築制限)を指示しています 。
これは、敢えてこのようにしているのであって、編集上の間違いではありません。
このようにしている理由は、実際の試験の現場で、限られた制限時間内により速 く正確に解答する為です。
「申請及び確認」の問題でも建築基準法第44条(道路内の建築制限)の条文から出題されていますし、「道路」に付いての問題でもこの条 文から出題されています。
この同一の条文を複数の項目の名称ごとにデーターベース化している事がこのテキストの最大の長所です。
もし、一度出てきた条文を他の 項目の名称のところで表さないとするなら、試験の現場で訳がわからなくなります。
 過去に、2級建築士試験を受験するに当たって、法令集に見出し「インデックス」 を張り付けて受験にのぞんだのにもかかわらず合格していない受験生、心当たりありませんか。
 また、<受験の為に用意する物>でニチバンのマイタックラベルがあります。
こ れは本来ラベルに使用するものです。見出し「インデックス」に使用するものではありません。
よって、法令集に張り付けるには多少の技術が必要です。
マイタック ラベルはラベルの大きさが19×33ミリメートルで、これが一つのシートに横向きに3列×4段に貼られています。このラベルの中央にシートに張り付けてある状態で縦 方向に正面から見て山折りの折り線を正確に入れます。このラベルに各条の名称を書き込む時には、シートに張り付けてある状態で記入します。
ラベルは折り線を入 れた右側と、左側に分かれます。寸法的には、19×33÷2ミリメートルとなります。
つまり、19×16.5ミリメートルのスペースが二つ出来る事になります。
法令集に見 出し「インデックス」を張り付ける為のルールで必ず、右側のページに見出し「インデックス」を張り付けるとしました。この理由から、ラベルの折り線の左側に各 条の名称を記入する事になります。
理想的には、ラベルの左右両側に同じ各条の名称を書き込む事がベストです。
 見出し「インデックス」に条の名称を書き込んだとして、それを法令集に張り付ける作業は慎重にする必要があります。ラベルのそれぞれ4隅には、3ミリメートル の丸面が取ってあります。
その丸面が直線となる部分、つまり、建築の現場用語で言うところの「面落ち」の部分までを法令集に張り付ける場所とします。
よって、 法令集には、19×3ミリメートルの部分で張り付いた事になります。
細かな事ですが、先に述べた法令集の区分けで、それぞれ20ミリメートルピッチで補助線を引くことを指示しました。このラベルの幅は19ミリメートルで1ミリメートルのクリアランスがあります。
法令集の縦方向にラベルを貼る場合、先ほどの区分けの為の補助線 と、法令集に張り付けるラベルの下の面を正確に合わす事によって美しく貼る事が出来ると思います。
 次に、<受験の為に用意する物>で青色と赤色の0.3ミリメートルのボールペンが必要と書きました。
これは、法令集の側面を2度使いしている事から、それぞれの色 で書き分けるためです。
例えば、スペース番号1番(用語の定義)の見出し「インデックス」は青色で、スペース番号17番(建設業法)の見出し「インデックス」は赤 色で記入します。
 前書「1級建築士におもしろいほど受かる本」の読者から「青色のペンと赤色のペ ンをどのように使い分けるのですか」と言う電話がありました。
私は、先に書いた事を答えとしました。
そして電話をかけてきた読者に「君、建築の仕事してるの」 と尋ねました。「はい」と読者。「建築現場で仕事した事あるの」と私。「はい、あります」と彼。「それなら、現場裁量と言う言葉ぐらい知っている?」 「設計図書に釘の打ち方や、ビスの締め方、ノコギリの使い方書いてないやろ。」「こんな事は、現場でそれぞれが判断する事と違う?」と私。「はっ、はい」と彼。 「それが分かっているなら今、君が質問した事も同じやで〜」と私。
 彼が、1級建築士試験に合格したかどうかは、その後連絡がないので分かりません が、少なくとも「現場裁量」と言う言葉だけでも覚えた事は確かです。
 このテキストで私の表現方法が適切でないところ、言葉が足りないところもある とは思いますが、ここは、読者の皆さまがそれぞれの裁量で御判断願います。



<参考として設計製図の試験のこと> [TOP]

  設計製図の試験は当然ながら、限られた時間内に問題の要求を満たす図面を描かなければなりません。言葉として「図面の試験」や「製図の試験」と良く耳にします。
 テスト前ですと、
「図面の試験、自信ある?」
「いゃ〜、自信ないわ〜」等受験生どうしで話し合っています。
「俺、製図は得意やから多分出来ると思う。」
「私、図面描くの遅いからなぁ〜。」 こんな会話、耳にした事あるでしょう。
 受験生の多くが「図面」の事で頭がいっぱいです。
「どうしたら綺麗な図面が描けるか。」
「どうしたら速く図面が描けるか。」
「正確に描くにはどうしたら良いのか。」
 設計製図の試験ですので図面が上手く、速く、正確に描ける事にこしたことはな いのですが、「図面」や「製図」と言う言葉に惑わされているように思います。
 要求された項目を全て満たした図面は当然として、上手い図面、下手な図面と言 う表現はあくまで主観の問題ではないですか。採点者の立場では、採点者の主観では採点していなように思います。これらも含めて、私の推理の範囲ですが、以下検討します。
 私も自分が受験した経験上、「設計製図の試験」は「法規の試験」と結論付けました。法規の試験と仮定しますと、採点者の主観が入る余地がありません。例えば 、容積・建ペイ率、建築物の各部分の高さ、採光等です。これらは全て数字で表されます。
 敷地面積は問題文に明記されているとしますと、その敷地面積から建築物の建築 面積や延べ床面積が算出できます。床面積が計算されたとして、今度はその床面積の内、それぞれの部屋(居室)の採光面積を計算しなければなりません。また、問 題文にその敷地の用途地域と前面道路幅が示されているとしますと、それらの条件から建築物各部分の高さが計算できます。
 もし、このような計算で受験生が間違えたとしたら、大きな減点、又はその時点でアウトになるように思います。
 これらの事をふまえた上で「設計製図の試験」を受験するのはどうでしょう。


<建築士試験の今後> [TOP]

 バブル経済崩壊後住宅着工数も減少しているようです。
正確な数字はまたの機会として、概略でバブル経済の最中は建築業界も非常に忙しい時期のようでした。
この時期で年間約230万戸の住宅が建築されてました。バブル経済崩壊後この数字が150万戸や140万戸になったと言われています。統計の取り方で多少変化するようです。この数字は分譲マンション等を表す時は、マンション(共同住宅)1棟に付いてそれぞれの戸数を数えた数字です。
 バブル経済時は特殊な時期として、大雑把に平均しますと年間140〜170万戸建築されていると考えられます。これに対して建築士試験の合格者数は1級建築士では年間約5千人、2級建築士では約1万5000人、合計して約2万人です。この数字はここ数年大きく変わっていません。
そして、建築士の免許は建築士法にもありますように、余程の事がない限り取り消されません。また、建築に携わる職業の方は広く解釈して10人に1人いると言われています。
 これらの数字から、年間140〜170万戸建築しなければ、日本という国の経済が成り立たなくなるのではないですか。当然、この140〜170万戸に付いて、日本のどこかで、誰かの建築士が設計・監理していると考えられます。逆説的に言いますと、日本は年間1級、2級合わせて年間2万人に建築士の免許を与えなければ、140〜170万戸の建築物が建築出来ない国ではないですか。
 この事から、今後も建築士試験の合格者数は大きくかわらないと考えられます。
つまり、この国の経済の仕組みが変わらない限り、受験者数が多少変化しても合格者数は大きく変化しないと考えられます。
 前書「1級建築士に面白いほど受かる本」の初版発行日が1997年6月17日です。1級建築士試験は1997年は7月末の日曜日にありました。そして、1級建築士試験の受験者数ですが、約5〜6万人です。この条件にもかかわらず同年、5千〜6千部売れました。これらの数字から単純に計算しますと、受験生10人に1人購入した事になります。実際には、購入した人の中で受験していない人もいるでしょうが、すごい数です。私も驚いています。前書もこのテキストと同じように、法規科目に付いて事細かに解説しています。
 この結果、読者でここまで読んでもらった人はもう分かる筈です。そう、学科「つまり、建築法規科目の受験者の平均点数が上がるのです。
 ここからがまた、私の推理になります。出題者はこの状況をどう見ているかです。

  1. 出題者が好ましいと見ている場場合
     建築士として絶対必要な知識があると思います。これらは、過去問題をみれば分かります。理由は同じような事を問う問題が多い事と、絶対必要な知識以外の事を
    限られた建築士試験100問の中で問う意義がないと思えるからです。 よって、建築に絶対必要な知識の平均点が上がるのは好ましい事なので、出題傾向は変化しない。
  2. 出題者が好ましくないと見ている場合。

 この考えは多分無いと思われます。建築に絶対必要な知識の平均点が上がるのですから。もし、考えられるとしたら、各学科、各分野難易度を上げる事か、又は出題傾向を変える事でしょう。出題傾向を変える事は先に述べた建築士にとって絶対必要な知識と言う考えに反します。 このような推理から、今後も建築士試験の出題傾向は変化しないと考えられます。そして、先に述べた1級2級合わせて年間約2万人の合格者数も変化しないと考えられます。つまり、受験者数が何万人でもその上位2万人が合格します。
 この二つの理由から、今後建築士試験は、特に学科「(法規科目)は受験生の平均点が上がるか、問題の難易度が増す事により、「持ち込み法令集」を完全に作り、理解していないと、合格しない試験になると思われます。


<あとがき> [TOP]

 建築士試験に合格して、建築士になりますと建築士以外の人は、建築士に対して建築のプロフェッショナルと信じています。建築の事なら何でも知っているように 思っています。
 仕事の場で、友人との雑談の中で、建築に関する事を聞かれる機会が多いのです 。私個人の場合でしたら、建築の事に付いて何か質問され、その質問に答えたとします。結果としては、私に聞いたのではなく建築士に聞いた。その答えが、私が言 った事ではなく、1級建築士が言っていたとなります。この理由から絶対不確実な事は言ってはなりません。「知らない事は知らない」「分からない事は分からない」 と勇気を持って答えるべきです。 例えば、「この家、親父が10年前に建てた家やけど、地震来ても大丈夫かな〜」と質問されたとします。
 この問いに対しての建築士としての答えは、「分からん」が正解となります。
 最悪の答えが「知らん」です。この場合、「分からない」と「知らない」とでは 大きな違いがあります。人間としての人格まで疑われてしまいます。
 しかし、何を聞かれても分からないでは「犬のお巡りさんの歌」になります。
「なまえ〜を聞いても分からない、おうち〜を聞いても分からない、ワンワンワワン、ワンワンワワン。」
 まぁ〜、たまにはこんな建築士もいますが。
 ここで有り難く思うのが法令集です。これ一冊持っていれば、そして調べる法令が分かれば、殆どの質問に正確に答えられます。つまり恥をかかなくてすみます。
 先ほどの例ですと、正確に答える為には、木造の場合ですと、地盤調査から始まって基礎のコンクリートの配筋、コンクリートの性能、各構造材の断面及び断面欠 損、各継ぎ手・仕口の確認、、筋交いの有無、壁量の計算などすべて調査しなければ答えられません。これらは、建築基準法施行令第40条から49条に明記されています。
 建築基準法施行令第41条(木材)構造耐力上主要な部分に使用する木材の品質は、節、腐れ、繊維の傾斜、丸身等による耐力上の欠点がないものでなければならない。
 建築基準法施行令第47条(構造耐力上主要な部分である継手又は仕口)構造耐力上主要な部分である継手又は仕口は、ボルト締、かすがい打、込み栓打その他の構 造方法によりその部分の存在応力を伝えるように緊結しなければならない。等。
 手近に法令集があれば、その条文のページを開いて、「このような理由からすぐ には答えられない」とでも言えば友人も納得すると思います。そして、正確に返答する事によって、あなたに対しての人間として、建築士として信用が増すように思います。
 どうぞ、今回の2級建築士の受験で、法令集と親しくなって読者の愛読書の一つとして下さい。
 そして、建築士となって、より責任のある立場で物を創る感動を実感として下さい。
 また、この本を通して読者と知り合ったのですから、何処かの現場で一緒に仕事 ができたらいいですね。その可能性は十分あります。その時は声をかけて下さい。楽しみにしています。
 最後になりましたが、株式会社中経出版の奥平恵編集長、私に出版の機会を与えて頂いた事に感謝します。

大賀 信幸